ラックマウント用のPCケースを導入した話

うちのLinuxサーバー。自作PC用のケースに入れて運用している。運用といっても、家庭内サーバーである。外部に公開はされていない。
小さい19インチラックがあるので、L2SWやらのネットワーク機器はマウントしてある状態。
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一般の家庭といっても自宅でITやインフラ関係の仕事をしているので、機材の数は多い。しかしながら、最近はガチのネットワーク仕事がないので、Linuxサーバーが1台だけ稼働している。AWSにインスタンス作った方が簡単だし。

逸般の誤家庭

突然だが、Youtubeで「逸般の誤家庭」を検索してみて欲しい。「一般のご家庭」ってよくいうと思う。「一般のご家庭にあるもので作れます」とか「この商品は一般のご家庭でもご使用になれます」とか。
19インチラックやブレードサーバーなんていうシロモノは普通、一般のご家庭には存在しない。それらがある家は、逸脱している誤った家庭なので「逸般の誤家庭」と呼ばれているそうである。
同じ読み方で異なる意味を持つという高度なダジャレなのだが...
でもってチューバーの「散財系鯖主うんちゃま」さんが「逸般の誤家庭」をゆるい感じで紹介している動画を見たのだが、これが結構笑える。動画といってもライブ配信したものがアーカイブされていて、それを後で見た感じ。

まぁねぇ普通はラックないよな。うちには小さいのがあるけど、小さいのでもラックがあったら逸脱の方の誤家庭になるのだろうか。
ラックマウントサーバーってやたらに"うるさい"のよね。特に1Uのやつ。FANが小さいので高回転する -> 高周波の音が鳴る -> うるさい。それになんかデカイ。平べったいくせにデカイ。
Ciscoなんかのスイッチ類でもうるさいのがあるよね。3Uとかのでかいやつでも、地味にFANがうるさかったりする。
ディスクアレイはよくわからないが、HDDもたくさんあったらやっぱりうるさいよね。
ブレードサーバーなんて、ちっちゃいのがわんさか入っていたらそりゃもううるさいのなんのって。
そんなものが一般のご家庭にあったらどうなるか。ましてや、ワンルームマンションの一部屋にあったらどうなるか。
それはもう家庭ではなく、なんというか「サーバールーム」だろうな。サーバールームで生活はできない。できたとしたら変人である。
私は変人ではないので、ラックはあっても片側しかネジ止めできない"小さい"やつだし、サーバーもラックに入るやつじゃないし、Intel ATOMとCeleronのCPU FANが付いてないやつだし、静かだし、隣の部屋で十分寝られるし、ということで「一般のご家庭」ということにする。

サンワサプライ 19インチマウントボックス CP-026N

サンワサプライ 19インチマウントボックス CP-026N

  • 出版社/メーカー: サンワサプライ
  • メディア: エレクトロニクス

ラックマウントできるPCケース

ちょっと話が逸れてしまった。今回の話はPCケースを買った話だった。ラックマウントならぬラック収容しているPCをちゃんとマウントしてやろうという魂胆なのである。
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購入したPCケースは以下のふたつ。ラックマウントできるPCケースはさほど多くはない。

あと、LANケーブルとラックマウント用のネジを購入。
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最初に2Uの方からやっていく。
箱の中身はこんな感じ。
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ケースの蓋を開けるとこんな感じ。
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マザーはMicroATXまでかな。入れるマザーはMini-ITXなので余裕でOK。電源は普通のATXが付けられる。
引っ越し作業は、どうということはない。ケーブルとメモリ、拡張カードを外して、電源とマザーをケースから外し、新しいケースに取り付けるだけ。電源スイッチやUSBポートのケーブルがケース側に付いているので、ここがちょっと厄介なだけ。
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ちなみに、このケースにはUSB2のポートしか付いてなかった。USB3はバックパネルに付けるしかないが、USB機器はキーボードとマウスくらいしかないので、2でも3でもどっちでもOK。
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拡張カードはロープロファイルPCIになる。3Uの方は普通サイズのカードが入る。
サーバーマシンなのでグラボは入れていない。Intelの2ポートギガビットEtherのカードを入れるが、ブラケットが見当たらない、後で探すとして、とりあえずラックにマウントする。
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ケースFANは静音タイプの5cmかな?を一つ付けた。CeleronのCPUクラーなしのやつなんで大丈夫でしょう。本当は20cmの大きいやつを付けたかったのだが、2Uのラックマウントには無理でした。ラックの背面になんとか付かないかと思っている。
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中身を入れると少々重たくなり、取り付けるのに苦労したが、めでたくマウントに成功。
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下のネジの方から止めた方がやりやすい。
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ネジの受け側であるナットは、四角い金具でラック側の穴にパッチっとはめる。
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取付した後で、2ポートEtherのロープロファイル用ブラケットが見つかった。
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背面から蓋を開けてEtherカードを抜き取り元に戻した。
上段には短いスイッチ類しかないので、蓋を開けてメンテナンスも可能だった、いいじゃん。
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3Uケースにも中身を入れる

もう一つのケースにも中身を入れていく。どのマシンの中身を入れるか悩んだが、この間、Windows10を入れたCore2 DuoのDELLデスクトップの中身を入れてみることにした。電源がATXじゃないので、別の自作PCから電源だけ拝借。

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マザーはMicroATXなのか、ギリで入った。バックパネルがないのでスカスカでカッコ悪い。
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しかし、4Pコネクタの電源が足りないことが発覚。
残念、ラックマウントのWindows10は実現できなかった。
しょうがないので、Linuxマシンの中身を入れるのである。このLinuxマシンのマザーはIntel ATOMのやつ。かなりの年代物じゃない。IDEとか付いてるし。初代のLinuxサーバーだな。2Uに入れたCeleronのLinuxサーバーは第二世代。
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HDDが4本。SSDが2本。HDDはSATAで接続。SSDがIDEで接続。マジか。逆じゃないのと思ってしまうが、その当時はSSDとかやっぱり高かったんでしょう。
構成を変えると起動しなくなってしまうので、接続状態は変えずにそのまま引っ越しする。
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マザーを取り付けてみたものの、拡張カードが入らない。なぜ?な感じなのだが、スペーサーが付属していることに気づいた。これををかまさないといけないのね。
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スペーサーを入れたらちゃんと入った。
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ここで、問題発生。3.5インチHDDをマウントする金具がケースにネジで止まっているが、ドライバが短くて届かない。2Uの時はギリで届いたのでなんとかネジを外せたが、3Uではもう無理。外すことはできたのだが、ネジをくっつけるのが無理。
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マウンタとマウンタの間は2cmくらいの隙間があるので、まぁなんとかできたが、端っこの方はもう無理ゲー。ネジ2本だけで仮ということにした。
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細くて長いドライバーをホームセンターで買ってこないと。
ケースFANは12cmの大きいやつを付けてみた。3Uならギリで付けられた。ネジは1カ所でしか止まっていない。
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仮組みした状態でスイッチONして動作確認する。
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問題なく動作するようである。
蓋をしようとしたら、ちゃんと閉まらないではないか。12cm FANが干渉しちゃっている。
ちゃんとしたマウンターを用意しないとダメか。
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ここで力尽きてこの日の作業は終了。

次の日

絵の長いドライバーをホームセンターで買ってきた。
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これなら、いけるでしょう。
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結構疲れてきていて、写真撮影をサボっているが、HDDマウンタごと外して、12cm FANを取り外し、5cm FANを取り付け。
当然ながらちゃんと蓋を閉めることができるようになった。
5インチベイにリムーバブルのHDDケースを入れた。本当はホットスワップなんてできないんだけど、雰囲気で付けてみた。このHDDケースも古くてIDEのHDDしか入らない。せめてSATAだったらまだ使えたのに。
このマザーにはSATAポートが二つとIDEのコネクタが一つ付いている。PCI拡張カードでSATAポートを増設してSATAのHDDを4本接続している。IDEにはSSDが2個接続されている。5インチベイにHDDを入れたのでこいつもIDEで繋げようとしたのだが、コネクタがちゃんとはまらない。おや?と思ってよく見ると、FDって書いてあるじゃん。フロッピかよ。遺産かよ。それじゃあ、はまらないよ。
というわけで、5インチベイのリムーバブルHDDケースは本当の飾りになってしまった。
3.5インチのマウンタの方は、ちゃんと4本のネジで止めることに成功した。
HDDのマウンタとケースの隙間が1cmくらいしかない。ここに磁石でくっついているだけのネジを「そろりそろり」と降ろしていく。底に当たった瞬間にヘナっと倒れてしまったり、途中で磁石が変にくっついてしまったりして、うまくいかなかったが、何回かトライすることで無事ネジを締めることができた。かなりの離れ業であったと思う。
てなわけで、一応は完成したので、ラックにマウントするのだが、結構な重さになっている。幸いにもラックの最下段に入れるので、何か硬いものを置いて、その上に一時的に乗っけてからネジ止めすることができそう。
何か良さげなスペーサーとなるようなものがないか探すと...
ありました。「SMART DRIVE」っていうやつ。これも5インチベイに3.5インチHDDを入れるためのケース。静音化グッズですな。なんか懐かしい。SSDだと無音にできるので、HDDを使わなくなった今では無用の長物となり、5インチベイに入れるCD-ROMドライブとともに埃だらけになり眠っている状態であった。
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これを土台にしてラックを入れたらいい感じの位置になり、楽にネジで固定できた。かなり苦労するかと思いきや、それほどでもなかった。とはいえちょっと筋肉痛が...
無事、マウントできたらこんな感じになった。
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ブルーのLEDがまぶしい。ゴーストとフレアが出ている。
ラックの上にプリンタがあったが、壊れてしまったので使えていない。プリンタをどかして、DELLのモニタを置いてみた。モニタ裏にCore2のDELLデスクトップも置いた。
KVM切替器とキーボード、マウスも置いてみた。
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これって一応操作できるじゃん。KVMもラックマウント出来ればよかったのだが、使っているのはプラットホームの「PShare EXシリーズ」ってやつだな。マウントキットまだ売ってるみたいだぞ。さすがサーバー屋さんのプラットホーム。
しかし、空きがないか?
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また今度にするか。
あー、久しぶりに長い記事を書いてしまった。
Proxmox ZFSでRAIDZ【M.2 SATA変換】

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