コードサイニングするために独自ドメインを取った話

えーと本日もコードサイニングの話である。
コードサイニングは現在、海外の本社で認証の審査中である。申請時には自分のドメインと電話番号が必要になる。普通は企業がSSL証明書を取ることが多いので、ドメインやらWebサーバーは揃っている状態で行う。電話番号も会社名義のものが登記されていることが普通であろう。
これを個人で行おうとすると、電話番号はともかく、ドメインを用意しなければならない。ここで一段階ハードルが上がる。
でもね最近はドメインの登録だけなら簡単にできる。
インターネットが始まった昔は、クラウドなんてものはなくオンプレミスが普通だから、固定IPでサブネットをもらって「わけもわからず」ルーターの設定して、メールサーバー(SMTP)やネーミングサーバー(DNS)の立ち上げをしなくてはならず結構大変だった。さらにファイアウォール作って、Webサーバーを立てるなんてしていたらそれだけでもう大変。
その時代は128kbpsのISDN回線で普通に通信していたんだなぁ、と時代を感じてしまう。イマドキISDNなんてどこでも使ってないよね。
SSL通信もやろうと思ったらできたと思うが、証明書を取得するのにえらくコストがかかるので、皆自前の証明書(いわゆるオレオレ証明書)を作って内部サーバーで接続試験していたかも。ネットで公開できないので、Webサイトはhttpのままだったかな。なんていうことを思い出した。
さて、話は2019年に戻る。
DDNSでのドメインなら無料で取得できたりする。サブドメインになるが、自宅サーバーを立てるときに使われる。かくいう私もいくつかDDNSを利用していたりする。自宅のルーターに割り当てられたIPアドレスがわかるので便利といえば便利である。MXレコードを操作できるようなものであれば、メールを受信することも可能ではある。
コードサイニングの申請では、サブドメインではダメみたいなので、DDNSの線は消えた。

とはいえ、ちゃんと調べたわけではないので正確ではないかも。DDNSでもメール受信ができればOK?
「ドメインの所有者であること」が条件なのでもしかしたらサブドメインでも大丈夫なのかも知れないが、今回はちゃんとドメインを取ることにした。

ちゃんとしたドメインを取得するなら、プロバイダやドメイン登録サービスをやっているレジストラに依頼してやってもらう必要がある。
お名前.comみたいなレジストラのサービスで独自ドメインを取って、レンタルサーバーと組み合わせて個人的な自分専用のサイトを作るということもできるようになった。
今思えば、クラウドサービスの走りで、いっとき流行った利用体系である。にしてもドメイン登録代とレンタルサーバー代で少なからずともコストがかかるので「so-netの無料ブログで十分」という判断があり、私は手を出してはいなかった。
そんな中、コードサイニングの申請用にちゃんとしたドメインが必要になった。
さて、どうしたものか。

AWSでドメイン取得

開発業務のお試し用でAWSアカウントを作ったのでAWSでドメイン取ればいいか。10$くらいのコストでドメイン取れるみたいだし。SESでメールの受信もできちゃうし。お手軽かも。
と思い、AWSコンソールのRoute53サービスを開く。英語なので少々ビビりながらRegister Domainでドメイン登録をやっていく。
住所や氏名を英語(というかローマ字表記)で入力していく。漢字はダメだと思う。日本語のドメインっていうのも取れるらしいが、あまり見たことないし、AWSでできるかちょっと不安だし。無難にアルファベットのドメイン名にして住所を英語表記で入力。
ほどなくすると無事ドメイン「asai-***.com」を取得することに成功(一部伏せている)。
EC2インスタンスを起動して、ElasticIPを取得。EC2インスタンスにapacheをインストール。セキュリティグループでポート80を解放。Route53のhostzoneでAレコードを追加。「http://asai-***.com」にアクセス。ちゃんと表示できた。いいじゃない。割と簡単に独自ドメインのWebサイトを構築できてしまった。
SESでメール受信できるように設定する。
SESのDomainsで作成したドメインを追加登録。
Route53でドメインを管理しているのであれば、SESの設定はボタンひとつで終了。簡単お手軽。
受信したメールをS3に保存するようにルールを作成しておく。ruleがactiveになっていないとメールを受信してもどこにも保存されないので注意したいところ。
今のところ、Webサイトからメール送信することはないので、送信制限は解除しないままとしておく。
S3に受信したメールが保存されることは確認できたが、outlookなどのクライアントからアクセスできないので、ちょっと不便。Lambda関数で別のアドレスに転送しても良いがちょっと面倒なので保留。
というところまでやって独自ドメインのサイトができた。

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asai
asai
システムエンジニア
喋れる言語:日本語、C言語、SQL、JavaScript