カメラのしくみ 「RGBとYUV」RAWとJPEGの違い

震災前、HDDレコーダーを買ったので、動画におけるデジタル系の話が続いていた。震災後は、節電の話が主となってしまった。ここで、カメラに話を戻そうと思う。といっても、光学系ではなく、デジタル系。
イメージセンサーには、赤センサー、緑センサー、青センサーがあるっていう話をした。
イメージセンサーから収集したデータをそのまま(といってもヘッダは付けるが)、データファイルに記録したものが、RAWフォーマットの画像データ。
具体的なフォーマット、例えば、Rの成分を何ビットの情報として記録するのかは、イメージセンサによる。だって「生データ」だから。
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カメラのしくみ「イメージセンサ」
RAWフォーマットで記録された画像データは、01がたくさん並んでいるバイナリデータ。画像データは、シャッターを切った瞬間にSDカードに記録される。SDカードに記録された画像データをPCにデータ転送する。これをPCのディスプレイで画像を見ていることになる。
最終的に画像を目にするまでには、けっこういろんな「変換」が行われていることになる。変換が行われるたびに、元のデータとは微妙に違ってくる可能性がある。
おおざっぱに流れを追ってみよう。最初はアナログな情報である「光の強弱の具合」がイメージセンサによってデジタルデータに変換される。基本的にデジタルデータは転送しても劣化せずに、データを移動できる。紆余曲折あって、デジタルデータは最終的に出力装置で再現される。ディスプレイに表示する、とか、プリンタで印刷するとかね。これを人間が観賞している、っていうことになる。あくまでもおおざっぱですよ。
カメラで一瞬をとらえた画像が写真になるまで、けっこういろんなものが、間にはさまっているのである。
ここで、出力装置がプリンタで、モノクロレーザーだった場合を考えてみよう。当然、カメラで撮影した画像データはカラーである。白黒フィルムはあるが、白黒なデジタルカメラってあるのか?それは置いておいて、カラーの画像データを、モノクロのレーザープリンタで印刷したら、白黒で印刷された画像になる。
元々カラーなのに、白黒になっちゃうわけです。色の情報がロス(消失)している。
ちょっと古いPCのディスプレイでみたら、なんか「きれいじゃない」ってこともある。PCの能力で256色の色表現しかできない、っていうものもまだ現役で動いている(かも)。
ここでも情報がロスしている。
いろんなところで、「情報のロス」が発生する。それは装置の能力が決まっているので、しょうがないことなのである。
私は、RAWデータじゃなくてJPEGでSDカードに記録している。その方がたくさん入るし。PCのHDDに溜めておくときも小さい方がうれしい。JPEGの方が画像データの大きさが小さくなるから。しかしここでも情報のロスが生じている。
参考記事
カメラのしくみ「ノイズ」
YUV
ここで、やっと本題である。RAWフォーマットでは、赤、緑、青の各センサーから上がってきた数値をそのまま記録している。いわゆるRGBです。
JPEGでは、RGBじゃなくて、YUVっていうデータの記録方式になっている。YUVってなんか絵文字みたいだし、なんて読んでいいか、よくわからない。ワイ・ユー・ブイって言いにくいな。
それはさておき、RGBがRed、Green、Blueなのに対して、YUVは、Yは輝度、Uは輝度と青の差、Vは輝度と赤の差。ということになっている。
輝度というのは、どのくらい明るいかの度合い。暗いなら数値は小さく、明るければ数値は大きい。輝度だけでは、色は表現できない(白黒になる)。色は、UとVで表現する。
なんで、わざわざ変換するのか、というと、データ量にある。RGBで記録するより、YUVで記録した方が少ないデータ量で表現できる。ただし、データのロスは生じる。データ量が減るわけだから当然。しかしである。人間は色の差より、明暗の差の方により敏感なので、データロスが生じても、わかりにくくなっている。これがわざわざ変換する目的。
元々、YUVは、カラーテレビの時代に考えられたもの。
カラーテレビの前は、白黒テレビしかなかった。私はそんなに年をくっていないので、当時のことはよく知らないが、白黒テレビを見たことはある。ちょうど、東京オリンピックが行われたときに、テレビのカラー化が広まったと言われている。東京オリンピックって、昭和39年か。
白黒テレビでも、カラーの放送をみれるように、と考え出されたのがYUV。
今騒がれている地デジとは異なり、全く見れなくなるっていうわけじゃなかったのね当時は。どういうしくみなのか詳細はよくわからないが、白黒テレビは、Yの信号だけ再現。カラーテレビは、YUVの全部を再現。っていうことなんだろうな、きっと。
今、騒がれている地デジは、アナログからデジタルへの移行だから、互換性っていうのは期待できない。アナログ派の中にデジタルデータを埋め込むっていうのも無理そうだし。多分、検討はされたんだろうけど。
で、ですよ。JPEGにすると、RGBがYUVに変換される。RGBが各8ビットで24ビットだったら、YUVにすることで、16ビットくらいに減らすことができる。16ビット「くらい」とアバウトなのは、よく知らないから。けっこういろんな変換方式があって、12ビットになるっていう変換方法もあるらしいので。
YUVといっても、いろんなバリエーションがあるっていうことです。とはいえ、データ量が減ることは確か。24が16になれば、その差は、8ビット。8なんて、たいしたことはなさそうだが、1画素あたり8ビットなので、1000万画素なら、8000万ビットの節約になる。8000万ビット=1000万バイト=10メガバイト。かなり節約できる。
こういうことがカメラの中で、知らないうちに行われているっていうことです。
JPEGについては、まだ続く... かも...
DSC_0320.JPG
RGBじゃないのがおしい

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