SQLポケットリファレンスの歴史(初版〜第3版)
本日は、SQLポケットリファレンスの話題。
SQLポケットリファレンスで、Google検索すると、Amazonのページとか、技術評論社のページがヒットする。
著者である私のこのブログのページはというと、なんとページを送って3ページ目まで行かないと表示されない。これは、なんとも「マーケティング的にはどうか」ということで、SQLポケットリファレンスな記事を書いてみようと思う。
どういう記事にしようかと思ったが、これは著者じゃないと無理。っていう感じのものにしようと考えた。
ちょっと前に、台湾版のSQLポケットリファレンスを紹介したが、これの続編というわけでもないが、同じ系統で、歴代のSQLポケットリファレンスを揃えてみることにした。なかなか、3種類持っている人は少ないでしょう。
どれも、みな緑色。並べて見ると微妙に色が違う。タイトルのSQLもフォントが微妙に違う。
ということで、第一版から振り返ってみることにしよう。
まずは、最初のSQLポケットリファレンスである。

SQLポケットリファレンス (Pocket reference)
- 作者: 朝井 淳
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2000/01
- メディア: 単行本
なんと、初版は1999年(出版日は2000年)。21世紀じゃないし、今から13年も前か。
当時は、Oracleは7、SQL Serverは6とかだったかなぁ... どちらのデータベースも使ったことがあり、現役でSQLをバリバリ書いていた(今でも書いているが)。
SQL Serverは、4.21の時代から使っている。クライアントはVBで書いてたかなぁ... Windows3.1とかの16ビットOSで。なんか懐かしい感じかも。
この時は、SQL ServerとOracleだけだなぁ。まぁ、それしか知らなかったからね。他にもInfomixとかあったけど、やったことなかったし。
詳細なイキサツは、技術評論社のインタビュー記事にかいてある。
初版のSQLポケットリファレンス、けっこう売れた。当時は、RDBMS全盛期っていう感じだったからなぁ...
その後、私の実際の仕事は、データベースから離れるが、MySQLとか、Postgresなんかのいわゆる「フリーなオープンソースのデータベース」が出てきた。
これは、ビックリである。現場では、まだ、Oracle、SQL Serverを使っていた。そりゃねぇ。いきなり無料っていわれてもねぇ。「安かろう悪かろう」っていう感じ。
こういったオープンソースのフリーソフト関係は、UNIX畑であった私にとっては、けっこう馴染みのあるものであったし、無料で使えるのなら、そっちの方がいいじゃん。と思ったものである。
実は、この私「客」としてOracleなどを購入したことはない。基本、開発者はそういった、開発ツールは購入しない。開発を依頼する側が購入して提供する、といったパターンが多い。
なんていったて、Oracle買ったら、すげー高いので... Enterpriseなんて年収くらいの値段がするし。
SQL Serverなら、10万とかだったかも。
それが、MySQLやPostgresなら「無料」なのである。
まぁ、さすがに、最初は「えー、うそくさい」って思うよね。OracleやMSにしたって、そう面白くはないであろう。MSはOS売ってなんぼ、だったからそうでもなかったかも知れないが... Oracleは大変だっただろうに。
そういった中で生まれたのが、改訂第二版のSQLポケットリファレンスである。

改訂新版 SQLポケットリファレンス (Pocket reference)
- 作者: 朝井 淳
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2003/06/10
- メディア: 単行本
これも、おかげさまで売れた。
なんでか。やはり、MySQLやPostgreSQLの台頭であろう。改訂するとともに、サポートするデータベースサーバーを増やしたのである。
SQLの方言
SQL命令の文法ってそれほど多くない。基本的なコマンドは、4つしかないし。CREATE なんちゃら、とか権限関係のGRANTとかはけっこう細かく文法があるが、データを操作するっていう基本的な命令は、以下の4つ。
INSERT
DELETE
UPDATE
SELECT
まあねぇ、データの操作なんだからねぇ。最近では、MERGEとか、REPLACEっている基本命令も加わっているが...
でもね。SQLって、割とあちこちで開発、拡張されちゃったみたいなので、変な方言ができてしまったのである。
よく、言われているのが、外部結合の方法。LEFT JOINやら、*=やら(+)やらのことです。
それに、まぁ、プログラミング言語ではありがちなんだけど、同じ機能なんだけど名前が微妙に異なっていたり、引数が少し違っていたり、という感じ。
SQLポケットリファレンス改訂新版では、どのデータベースで使える関数、コマンドがアイコンで記載されている。このあたりが受けた模様。どのデータベースでどういった関数やコマンドが使えるのか、といったことがわかるので。
でも、大変だったなぁ。Oracleのマニュアルなんか印刷すると5cmくらいの厚さになるし。MySQLやPostgresはバージョンアップが頻繁に細かく行われるので、「あれ、この関数いつの間に使えるようになった?」とか。
SQLの方言問題は、ISOなどの標準化組織が頑張って標準化してくれたおかげで、沈静化していった。SQL92、SQL99、SQL2003といった規格が発表され、「標準のSQL」が確立してきた。そんな中で、SQLポケットリファレンス改訂第3版が誕生したのである。

【改訂第3版】 SQLポケットリファレンス (POCKET REFERENCE)
- 作者: 朝井 淳
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2009/04/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
ちょっと話が長くなってしまったので、続きはまた今度にしたいと思う。
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第4版は電子版もあります。
改訂第4版 SQLポケットリファレンス電子版

SQLポケットリファレンス (Pocket reference)
- 作者: 朝井 淳
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2000/01
- メディア: 単行本

改訂新版 SQLポケットリファレンス (Pocket reference)
- 作者: 朝井 淳
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2003/06/10
- メディア: 単行本

【改訂第3版】 SQLポケットリファレンス (POCKET REFERENCE)
- 作者: 朝井 淳
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2009/04/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
SQLポケットリファレンスの最新版は、第4版です。
お間違いのないように。
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