カメラのしくみ「絞りとボケ」円形絞りならボケは丸い

久しぶりにカメラのしくみを書いてみることに。今回のネタは、絞りとボケについて。
絞りは、レンズの中に入っている何枚かの羽のような部品で構成されているもの。絞りを絞ると、羽が動いて穴が小さくなる。絞りを開放にすると、羽はすべて収納されてみえなくなる。
構造上、絞りによる穴は、多角形の形になる。辺の数は羽の枚数による。5枚の羽を使った絞りなら、穴は5角形になる。6枚の羽なら6角形になる。
DSC_0057.JPG
絞りの穴の形は、ボケに影響する。ボケの形が絞ることでできた、穴の形になるそうなのである。しくみはよくわからないが、なんとなく直感的にわかる気がする。
絞りを開放にすると、穴はまるいので、まるいボケになる。ある程度絞ると、絞りの穴の形状がボケになる。
どうしてかわからないが、羽の枚数が奇数の方がきれいにボケるらしい。理由はむずかしいみたいだが... ひょっとして都市伝説か? ヒマがあったらちゃんと調べてみよう。
羽の数は、レンズによって異なるが、7枚とか9枚が多いようである。AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8Gは羽の枚数が7枚。なので、ボケは7角形になるはず。
さっそく試してみようと思ったのではあるが、Nikonのレンズは「円形絞り」という絞りになっているらしい。羽の形状が直線的ではなく、少し湾曲していて、絞ったときに円形になり、多角形にはならない。なので、丸いボケにしかならない。これじゃあ試せない。ボケたときに、7角形になるより、丸いボケの方がきれいにみえることは確かではあるが、実験してみるのには、適さないかなぁ。
まぁ、いいか。とりあえず、ボケ具合を撮影してみることにした。被写体は木漏れ日。
ボケ感満載にするため、ピントはわざと外している。
最初は、絞り開放で撮影した場合。
DSC_0537.JPG
ピンボケなので、何が写っているのかよくわからないが、家の前の桜の木の下から上にカメラを向けて木を写している。心霊写真のようでもあるが、そうではない。葉の間から洩れてくる光が、白く写っている。
開放なので、レンズの形そのもので丸い形になって写っている。
では、絞りこんでみよう。
DSC_0538.JPG
F4まで絞り込んでみた。なるほど、心霊写真っぽい白いものが丸じゃなくて、多角形になって見えるではないか。円形絞りといっても完全に丸になるわけじゃないらしい。角ばった多角形じゃなく、辺がまるい、太った多角形になった。
よくみれば、やっぱり7角形。
F5.6でも撮ってみたが、やはりボケの形は角がとれた7角形。
ふむふむ。わかった。しかし、この形自体を変えることはできないので、どうしようもないか。丸いボケが欲しいな、って思ったときは開放か、開放に近い状態で撮影すればいいってことか。しかし、露出や被写界深度の関係で、絞りたいときもあるよなぁ。
四角いボケの方がいい、っていったこともあるか。そうか、レンズを変えればいいのか。これは、いくらレンズがあっても足りないな...
関係ないが、野菜たちの写真を撮影するときには、もっと寄りたいときがある。マクロレンズかぁ、高いけど魅力的だなぁ。接写リングでがまんしておくかぁ...
カメラの世界は、奥が深いなぁ。

次回は、カメラのしくみ「光芒」>>
関連記事
カメラのしくみ「絞り」
カメラのしくみを最初から読むなら、以下からどうぞ
カメラのしくみ VR 手ぶれ補正機能

投稿者プロフィール

asai
asai