カメラのしくみ「フォーカスリングとレンズの長さ」

レンズの焦点距離は、無限遠からの並行な光を一点に集めるために必要な距離であった。より近く、例えば10m先にある被写体から反射した光は、レンズを通して焦点を結ぶ位置は、無限遠のときより奥になる。
無限遠にピントを合わせるときは、レンズの主点と記録面を焦点距離の位置に配置すればよい。10m先にピントを合わせるときは、レンズの主点と記録面を焦点距離よりも長くする必要がある。
フォーカスリングをまわすと、レンズの長さが微妙に変化することがわかる。
無限遠に合わせているときが、一番短い。逆に最短撮影距離側になっているときが、レンズの長さは一番長い。
無限遠 0.6m
AFS 35mm 1.8Gは、フォーカスリングをまわしても、レンズの長さは変わらない。これは、中についている後群の玉だけが移動しているから。レンズの中を覗きこみながらフォーカスリングを回してみるとわかる。
接写リング
接写リングをレンズと本体の間に入れると、より近くにピントがあうようになる。フォーカスリングを最短撮影距離側にまわしたときよりも、さらに主点と記録面の位置を長くすることができる。
反対に無限遠にはピントが合わなくなる。
ただのリングが、接写を可能にすることができるのには、こういった理由があったわけである。

レンズと記録面の距離を変えることでピントを合わせることができるといったことは、「ベローズ」といった機器をみればよくわかる。
ベローズアタッチメント PB-6


昔のカメラはこんな「じゃばら」みたいなのが付いていた。
最短撮影距離が短いレンズの方が寄って撮影できる。最短撮影距離を短くするには、レンズが伸びるようにすればよい。だから、マクロレンズは焦点距離が50mmとかでもある程度の長さがあるのか。
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asai
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