カメラのしくみ デジタルになってなくなったもの
今やオートフォーカスは当たり前のものになったのか、フォーカスリングに書かれていた10mとか∞の表示がなくなっていることは前にも書いた。
さらに、AEが当たり前となり、絞りを決定するリングもレンズ側にはなく、カメラ側に付くようになった。
おかげでレンズはすっきりしているが、なにかさみしい。
ズームレンズだと、フォーカスリングとズーム用のリングのふたつがあるが、単焦点レンズだとリングはひとつしかない。
昔のカメラのレンズには、ピント用、ズーム用、絞りの3つのリングが付いており、そこにいろいろ数値が書いてあり、けっこうわけわからん状態になっていた。考えてみれば、昔のカメラは写真一枚撮るのにいろいろなことをしなければならなかった。
まずは、構図を決める。
位置を変える、ズームするとかして撮りたい「絵」になるようにする。
次にピントを合わせる。
被写体がきれいに写るようにピントを合わせる。普通は撮りたいものにピントが合うようにする。
露出を決める。
光量に合わせて、シャッター速度と絞りを決定する。
背景をぼかしたいなと思ったら、もっとズームアップするか、絞りを開けるかする。ズームアップするのならカメラを移動しないといけないだろうし、絞りを開けるとピントがあう位置が微妙に少なくなるから、ピント合わせをする必要もあるかもしれない。単純に3ステップで終わるものでもなく、これらの要素が複雑に絡み合っている。
今のカメラは、ピント合わせと露出合わせを自動でやってくれる。なので、ずいぶんと楽に撮れるようになっているのである。世の中進歩するものだが、かつてあったものが必要性がなくなり、なくなってしまうのは、何か「退化」した感じでさみしいものである。
他にもなくなったものはけっこうある。
フィルム時代では、フィルムを巻くレバーと、フィルムをケースに巻き戻すレバーがあった。昔は、1枚撮ったら、巻きあげて、もう1枚撮ったら、巻きあげて、といったことをやっていたわけです。フィルムを使い切ったら、元あったように、フィルムのケースに巻き戻して光が当たらないようにして、現像に出さないといけなかった。巻き戻さないで、蓋を開けてしまうと、撮った写真はパーになってしまう。誰もが一度はやるミスでしょう。
いつの頃からか、巻きあげ、巻き戻しはモーターが自動でやってくれるようになった。そのおかげで、レバーは退化してなくなってしまった。
他にも退化してなくなってしまったものは、ありそうだが、これくらいにしておく。
次回は、うちのネコを撮影する>>
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